花よりもなほ 通常版


花よりもなほ 通常版
岡田准一
発売日:2006-11-24
おすすめ度 ★★★★★
売り上げランキング:5203

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元禄15年の江戸で、青木宗左衛門(宗左)は父の仇を追って、信州から上京した若侍。しかし、剣の腕は立たず、寺子屋で算術を教えていた。そんなある日、仇を見つけた。しかし、長屋の人々のとの心地よい暮らしになじんでしまった彼は、仇が妻子と幸せな生活を送っているのを見て“仇討ちとは何だろう”と考え始める。そして、彼が出した結論は長屋の人々を巻き込む騒動に発展していく。
『誰も知らない』の是枝裕和監督が初めて手掛ける時代劇。ドキュメンタリー出身で、人間の本質に迫る作品を、柔らかな視線で捕らえてきた監督らしく、人情で見るものを包み込むぬくもりある時代劇。主演の宗左に岡田准一。ほか長屋の人々に、宮沢りえ、古田新太、香川照之、原田芳雄、田畑智子、加瀬亮、仇役には浅野忠信と、わき役にいたるまで、スター俳優が勢ぞろい。岡田准一は、主演とはいえ決してスタンドプレーはしない、控えめな佇まいが、宗左のキャラにピッタリ。印象深いのは加瀬亮。うちにひめた恋心を愛する人に告白する場面は、この映画でいちばん胸が熱くなるシーンだ。監督が「楽しい嘘をついてみたい」と選んだ時代劇だが、弱者へのやさしい眼差しは、これまでの是枝ワールドに共通すると言えるだろう。(斎藤 香)

★★★★★ 2006-12-02 こんな時代劇も観てみたかったと思えた作品
父の仇討ちのため、国を出て三年間長屋暮しをしている青木宗左衛門と個性豊かな長屋の人々との交流を描きつつ、並行して、主君の仇討ちを目論む赤穂藩士達の動きも描き、二つの仇討ちが遂に決行されていくストーリー。仇討ち、赤穂浪士、剣の苦手な武士、そんなことをネタにした時代劇は今までもあったと思います。しかし、このストーリーは新鮮でした。 いかに死ぬかに美学を見出だす武士にとっては花をパッと咲かせることこそが全て。実より形。まさに、武士は食わねど高楊枝の世界。そんな時代のなかで、宗左衛門が、花を一度きり咲かせるより、来年また咲かせることの大切さを長屋皆の姿から教えられていく過程が好きです。ただただ剣術が苦手で内心は震えているだけだった弱者の宗左が、新たな武士としての心構えをもち、奇策で仇討ちを行う。その一方で、旧来型の仇討ちである赤穂浪士の討ち入りも起きる。花よりも実を後世に残そうとする前者と、後世にまで語り継がれる花をパッと咲かせた後者。どちらが正しくて悪いという訳ではない。ただ、宗左のとった行動もありなんだと思う。また、仇討ちすら商売にしてしまう庶民の図太い神経には恐れ入りました。一番強かで、世渡りがうまいのはいつの時代も庶民だったのかもしれません。カリスマ性があり、自己を律し、強く、義に生きる武士のドラマも好きですが、こんな時代劇も観たかったと思える異色のストーリーだと感じました。

★★★★★ 2006-11-26 桜が潔く散るのは・・・・
豪華出演陣なのに何故か話題にはなりませんでしたが、佳作です。



まるで落語のようにコミカルで生命力に溢れ、そしてホロリとさせ

られる登場人物たちは皆魅力たっぷりです。



仇討ちなんてクソ以下だ。クソなら餅に変えられるが、仇討ちなんて

食えもしない。

普遍的なメッセージをコメディタッチで語る演出は最高です。

ウチのスルメDVDの仲間入りです。





追記、キム兄の桜の話には感心しました。





★★★☆☆ 2006-11-25 かなりスローテンポです
物語はのーんびり進むけど、それがいいのかな。



仇討ちするために江戸に出てくるけど、

長屋で生活するうちに、仇討ちしない人生もあると悟る。



岡田君の繊細な表情にぐっときた!



★★★★★ 2006-11-23 優しさが溢れてます
作品全体に流れる優しさ。人の気持ちの暖かさ。

とにかく、静かに泣けました。



今でこそ「親の仇」「あだ討ち」なんて、時代遅れ、しかもハッキリ犯罪行為。

しかし、親や家族を思う人の気持ちはかわらない。

父から教えてもらったのが、憎しみみだけでなくてよかった

と言った時の主人公の顔・・・

曇りが晴れた、そんなさわやかさに溢れた、良い表情でした。



憎しみや、恨みの連鎖・・・



まさに今、いじめや虐待による、そういう人のドロドロとした気持ちを否定してくれる、

さわやかな感動をくれる名作です。



ひとりひとり、

こんな優しい気持ちでいられたら、

いじめも、虐待も起こらない。

そう感じました。

★★★★★ 2006-08-16 時代劇コメディでも流れるものは同じ
ビンボー長屋(このセットがすごく汚くてリアル)を舞台に、親の仇のため3年間長屋暮らしの青木宗左衛門(岡田准一)をはじめ、子持ちの後家(宮沢りえ)、長屋の住人たち多数が織りなす群像ドラマとなっています。最近の流行なのか(?)ゆるい感じの癒しコ

メディと捉えることもできます。



ちょっと「どん底」や「落語」の味がミックスされ、市井の人の営みが哀歓をもって描きだされる。是枝監督は、これまでもカルト宗教事件の加害者の家族や、親に捨てられた子供など、「遺された人々」を優しく見つめていますが、この映画も例外ではなく、世間から見捨てられたボロ長屋の住人、武士としてダメの烙印を押された侍、そして、仇討ちで

運命が変わった人々。全ての人に限りない優しさを与えていきます。

しんのすけの父の事情を知り、宗左が彼をそっと抱きしめるシーン、仇である十兵衛とのシーンなどは特にそう感じます。終始賑やかな映画なのだけど、画面に2人のみ登場する場面がこれまでの是枝作品らしくてなかなか良いです。



仇討ちは「復讐と憎しみ」の連鎖である「テロ」にも通じます。確かに多くの映画批評にあるように、本作はそのアンチテーゼとして見ることも可能ですが、なにはともあれ、弱き者への人間賛歌、喜劇風にしつつ、権力への風刺たっぷりだし、ラストのひねりも愉しい。そこには弱い庶民のしたたかさが醸し出されます。赤穂浪士の討入りの後に「夜中に奇襲掛けて、しかも老人1人に大勢で寄ってたかって卑怯だよ」なんてセリフが出て来たのには笑っちゃいました。往年の川島雄三監督やビリー・ワイルダー監督あたりを思い出しますね。

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